Le Journal de Nori
1月9日 金曜日   フランスの歯医者事情

歯医者に行かざる終えなかった。
それはクリスマス前の12月22日に起きたことだ。

息子とおやつを食べていた。
何を食べたか定かではないが、硬いものでなかったのは確かだ。
なのに!

石??

フランスの一番安い米を食べていたのなら、本当に石の1個や2個混ざっていても理解できる範囲だ。
だが、そんなもん買わん!
もしや。。。
できる限り、舌で歯をなぞってみる。

か、かけてる。。。。

右下の親知らずの手前の歯だ。
一度、フランスに来てから治療をしたことがある歯だった。
そのとき、神経は抜いていた。

痛くはない。 どうしよう。
今住んでいるところに来てから、まだ歯医者に行ったことがない。

ここトゥールーズに来てから一度引っ越したが、前の家にいたとき、一度、歯医者に行ったことがある。
そこの歯医者は、なぜか山道をくねくねと通って、北へ車で最低でも30分はかかるところだった。

しかも、そこは、元旦を一緒に過ごした家族のお勧めの歯医者だった。
行ってみてびっくりした。
その歯医者は、なんと日本大好き、な人だった。

入るや否や、フロアーの真ん中に今流行の「禅ガーデン」がある。
こじんまりとはしているが、何でこんなところに灯篭があんねん!? 
待合室は「室」ではなく、そこに座った目の前には彼の禅ガーデンが広がるというセットの仕方だ。
壁の何ヶ所かには、習字で書いたのもを額に入れて飾っている。

「禅」

そのままやないかー!!

彼は私が日本人だということで非常に喜んだ。 はじめての日本人だという。
・・・こんな僻地ではなかなかフランス人以外には遭遇しないだろう。。。

そして、彼の全ての武器を披露してくれた!
まず、ドアが全て引き戸である!
フランスでは非常に珍しい。

そして何よりも。。。

彼の所有する機械、機器全てが日本直輸入!!!

金、かけすぎや。。。

実際日本に何回か行って、日本の技術を学んできたそうだ。
通訳つきで。。。

そう、彼は、大の日本好きなのにかかわらず、日本語を学んだことがない。

「時間がない」
・・・こう言い訳する人は今まで何人にも会った。

「日本語がしたいけど、時間がない。」
去年行った整骨院のおっちゃん(先生)も同じことを言った。
彼は、合気道を教えている。

話がずれた。

私は診察台に乗っているとき、全ての機器に日本語で書いてあるのでなぜか親近感を覚えた。

フランスでそれまでに2ヶ所歯医者に行ったことがある。
気づいたことは、アシスタントがいない! 
ことである。

だが、ここの歯医者は違う。
アシスタントつきだ。
これも日本をまねたのか。。。

そして何よりも、彼の最大の自慢は、
レントゲン機だ! (日本直輸入)

レントゲン室になっていて、立った状態で、機械にあごを乗せる。
360度、首の周りを回転する代物だ!

・・・・360度撮ってどうすんねん!!!


数分後、巨大なレントゲン写真の出来上がり。
360度いらんやろ、治療するとこだけすれば!


このとき、いや、前から知っていたのだが、このクリスマス前に欠けた歯の奥の親知らずを指摘された。
上を向かって生えてない。
横向きで、歯の一部とも地上に顔を出してないのだ。

「切って、取り出したほうがええ。 ちゃんとしたとこ行ってな。」

ここではできない、という意味だったが、ここはちゃんとしてないんかいっ!

しっかし、日本直輸入のマテリアルを使用しているだけあって、治療代、
高いんじゃっ!!!


そして去年のクリスマス前に戻る。

ちなみに聞いたことがあるのだが、日本の歯医者事情は、アメリカより10年遅れてて、フランスは、日本より10年遅れている、と。 本当かどうかは定かではない。
が、フランスが遅れていというのには、非常に同感できるものがあった。

だから、怖いところには行きたくない。
向かいの家のオバちゃんが、11月くらいに、ほっぺたまで腫らして、歯医者の治療に行かな、といっていたので、向かいのオバちゃんに聞きに行った。

「すっごいいいとこで、うちの家族は全員そこ行ってるよ。 電話してあげるわ。」
と電話をしたのだが、その日(12月22日)からお休み!
1月5日に再開するという。

長いんじゃ、その休み!

オバちゃんに、「そこ、ほんまにいいから、待てるんなら待ったら?」
といわれた。

神経も抜かれて、もう痛くもないので、そうしようかと思っていた。
夕飯のとき、新たな石が!

同じ歯がまたかけた。。。。

翌日、龍ちゃんの行ってるベビーシッターに、どこがいいか聞いた。
うちの近所だ。

早速電話していった。
そのときは、事情を説明したら、お昼休みを割いて15分ほどだったが、応急処置をしてくれた。

次の予約は1月9日。

なぜか、その彼女(うちの近所の歯医者)も大の日本人好きだった。
私が日本人だということを知ると、興奮した。 
「ああ、私の夢なのよ、日本は!」
一度はだんなと行ったことがあるらしい。

その上、94年くらいに日本で治療した歯を、
「すばらしい、美しい。 本当にすばらしい!」
と、褒め称えては、何度もその部分を見やった。

10年どころか一体何年遅れてるねん!?

そして、もちろんアシスタントはいない。
「はい、これを持ってて。」
なにやらホースというか、掃除機のようなものだ。
削った部分や、唾液ををそれで吸い取るのだ。
それを持つ手がだるくなってしまっても、先生は治療を続けるので、我慢するしかない。

しかし、始終、こんな感じで、一回もうがいをしなかった。 なんかすっきりしないものである。
よく見てみると、診察台のそばには、なにやらうがい用の小さな台のようなものがあった。
「ようなもの」というのは定かではない。 あまりに年期が入りすぎ、しかも石灰のかなり多いフランスの水、もしかして、蛇口をふさいでしまったんじゃ!?

このときにもレントゲンを撮った。
治療の歯が、例の親知らずの手前だけに、その問題の親知らずもしっかり写っていた。

「この横に向いてる親知らずが原因で、この手前の歯は、何回も治療が必要になるかもよ。 取ったほうがいいわね。 うちじゃできないから、って言うか、私じゃとうてい無理だわ〜。 ちゃんとしたとこに行ってね。」

歯医者が2種類あるのは知っている。
一つは普通の歯を治療するだけのもの。 もう一つは、手術さえも行うところ。
彼女の、「私じゃとうてい無理だわ〜」がどうしてもこの国ではしたくない、という気を起こしてしまった。

近眼レーザー治療でさえ、うまく行かなかったんだから、この国では、もうたいしたことをしたくないのだ。
もうちょっと待つのだ。

なぜなら新たな引越しが控えているからだ。


しかし、これを読んで、フランスにも日本にも劣らないすばらしい歯医者を知っている方は是非ご一報ください。お待ちしてます。

 

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