Le Journal de Nori
6月18日 金曜日   比較文化研究 2

ドイツに引っ越してきて、はじめて人のうちに食事に招待された。
そのうちは、だんなの同僚の一人の家庭だ。

だんなの同僚はだんなと同様アメリカ人。
奥さんはドイツ人。
子供3人、18歳:男、9歳:女、そして5ヶ月の赤ちゃんである。(女の子だったような。。。。)

招かれたのは、うち3人(だんな、龍ちゃん、私)と、彼らの近所の人たち(6人)だった。
招かれた時間は18時。

18時といえば18時なのがここ、ドイツだ。

当たり前???


フランス(しかも南)に住んでいた我々にとって、18時といえば、ま、普通に言って、18時半である。
または、相手の家庭によっては18時半から19時の間、である。

要は、約束の時間に家を出ようと心がけるなら、そんなものなのである。
第一、フランス(しかも南)は、夕食に招待するのに18時、なんてことはない。


18時にめがけて彼らの家に行く。
2歳の龍ちゃんもいることやし、あんまり遅くならないようにしよう、ということにしていた。

こうでも、自分たちで言っておかないと、いつもいつもがんばって、そこで龍ちゃんを寝かせて、夜中の12時過ぎて、やっと帰ろう、ということになるからだ。


ちょうどいいことに、彼らの家は、うちの住んでいる町から2つ離れたところだ。 近い。
車で15分から20分くらいの距離である。

到着した。
我々が一番乗りだ。

といっても、ほかの招待客は、向かいの家の人と、隣の家の人なので、18時に家を出ればいい感じである。

その日は、庭でバーベキュー(BBQ)だったので、そのまま庭へ。
初めて来た家だし、しかもでかいし、家の中を案内して欲しかったが、私にとっては初めて会った人たちだったので、いつものように遠慮した。(!?)

そして、すでに肉はBBQグリルの上に投入されており、そちらのほうがみんなを待っていた、という感じであった。

しかも、各家庭から一品何かを持っていくことになってたので、うちは、だんなが得意の(これしかない)パスタサラダを作って持っていった。


みんなの紹介がなされ、会話も弾んできたころ(そうでもなかったけど)、そろそろ食べましょう、という感じで食べ始めた。
テーブルに盛られていたのは、まさに山盛りのポテトと、ガーリックトースト(これがめちゃうま)、うちのパスタサラダ、そして、なんだったっけ???
そう、肉である。

なぜかアルコール類は一切振舞われなかった。。。。
別にアルコールが飲みたい!
というわけではないが、ビールとかあったほうが気軽にみんなと話ができるやないかあ。
しかも、みんながみんな英語はなす分けちゃうし。。。。。
りんごジュースと水だけええええぇぇぇ???、、、、なのであった。


そして食い終わり、待望のデザートの登場!!

・・・・・・・・・は、控えさせていただきます。

状態で、何も出なかった。
わたしより誰より悲しんだのはだんなである。
甘いものには目がない。
デザートを食べないと食事をした気がしない人なのである。


なので、とっとと帰ってやった。
。。。というと非道に聞こえるが、21時を回り、龍ちゃんも疲れてきてたので、じゃあ、そろそろ、、、といったら、みんなほかの人たちの、ならばうちも、という感じで、悲しいかな、お開きになってしまったのである。

フランスでは「じゃあ、そろそろ。。。。」と言ってからがまた長い。
「じゃあ、そろそろ。。。」を連発しても、言い始めてから1時間くらいは簡単にそこに残っていたりする。


これだけ話しただけでは「比較文化研究」にはならない。
もう少しのぞいてみよう。


フランスでは、私たちの周りでは、こんな感じであった。

まず18時に食事に招待、と言うことはなかった。
そのうちとよほど仲良くて、手伝ったろか、と言うときなどはそれくらい早く行ったりする。

大体19時くらいが普通だろう、と言っても、19時にはその家に行ってはいけない。(そんなこともないけど)
着いたら、話をしながら、まずりリビングルームへ。

食前酒を振舞われる。
食前酒とともに、おつまみも出される。

そして、さて、テーブルへ。
そのころにはすでに20時半を回っていることはけして珍しいことではない。

そして、必ず、と言っていいほど、と言うよりも例外なく(同じ意味か。。。)、ワインが出される。
そして、前菜(Entree)。

冷たかろうが、温かかろうが、BBQであろうが、食事一皿目。


そして、それが終わると、めいんでぃっしゅ。
肉なり、魚なり、メインだ。 これで二皿目。

もうおなかいっぱいなのは当たり前状態だが、フランスではこの後、デザートの前にチーズが出される。

フランスに住んだため、このチーズは欠かせないものとなった。
大きいチーズプレートの上にいろんな種類のチーズが出される。
これらを自分のプレートに好きなだけ取り、赤ワインと共に食す。
もちろんパンにつけてもいいが、(と言うよりこっちが当たり前だが、)私は大体メインでおなかいっぱいになってるので、チーズはパンなしで食べていた。

そして、最後は絶対デザート!!


親しい友達の家でも、すべてを簡単に済ませても、これだけのコースである。
もちろん、作るものにとっては大仕事なので、招待されてから、「何か持っていくものある?」と聞くのは礼儀である。
そのときは、うちはほとんどデザートを受け持ったりしてたが、前菜でもいい。

ワインや、シャンパンのときもある。
デザートだって、必ず作れ、と言うものでもなく、ケーキ屋さんでうまいのを買っていってもいい。
何もいらないよ、と言われたら、花屋できれいな花束なんか買って行く。


そして、食事が終わっても話が盛り上がってることが多く、食後酒、なんてのも、振舞われちゃったりする。
ノルマンディー産のりんごの強いお酒、カルバドス、とか、南のアルマニャックとか、コニャックとか。



・・・・・そんな感じだったので、ドイツで初めての食事に招待はあまりにも悲しすぎた。
と言うと、その家庭に不満があったように聞こえるが、

実にそのとーりだ!!!


ほかのドイツの家庭ではどんな感じなんだろうか。。。。

ちなみに、トゥールーズでアメリカ人家庭に招待されたことがあるが、ほぼ前者に等しい。
その日もデザートはなく、だんなは帰りの車の中でぼやいていた。。と言うよりしょげていた。

そういえば、アメリカに行ったときも、食事の時間は早い。


と、言うことはなんだ!?

よく考えてみれば、フランスよりスペインやイタリアが遅いくらいで、ほかの国ではもしかしたら前者に匹敵するのだろうか。。。
ギリシャは??


とにかく7年ちょいも住んだ国に慣れてしまってて、特に食事の習慣の違いになれるにはかなり時間がかかりそうだ。

うちでも、毎日19時半には食事にしたいのだが、何かしら20時を回ってしまうことが多い。



が、裏を返せば、こっちが招待するときに前者の手をそのまま使って、手が抜けるのである!!
この手を利用しないわけはない。
こういうのも、ま、いっか。

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