![]() 6月23日 水曜日 レコーディング!? |
レコーディング、という言葉をすると、まるで私が歌をうたっているようだが、勘違いしてはならない。
何を隠そう、この私は音痴である。
「ひどい」という言葉はあえて付け加えないことにする。
また、前書きが長くなりそうなので、何をしたかということをとっとと言ってしまうと、この町にあるカジノに流れる音楽をバックに、声を吹き込んだのだ。
何を言ってるかよく分からないだろう。
やっぱり一から説明していくことにしよう。
ここ、ドイツに住み始めて、欠かせないのは、まず電話。
電話の設置を地元の電話局(ドイツテレコム)に依頼する。
実は、この家に越してきたのは、だんなが先。
私と龍ちゃんは家が見つかってすぐ、入居する前にだんなをほって、日本に一ヶ月ものんびりしていたのである。
だから、この電話の依頼はすべてだんなと、会社のヘルパーだ。
「何日の何時」と決めて、だんなはその会社にも顔を出さず、家で待っていたのに、2回もすっぽかされたのである。
ドイツに来て、ドイツ人は時間にも何にも正確である、と思い込んでいたのが音を立てて崩れていった。
だんなもラテン民族の住むフランスよりは、かけ離れてマシだろうと、たかをくくっていたのだった。
私がいないと余計に気が短いだんなは、ドイツテレコムにはもう申しこまへん!!と切れ、
近所の「コミュニケーションサーヴィス」と名乗る会社に依頼した。
そして電話の設置はとっとと終わり、次になくてはならないのがサテライトTVだ。
私自身、あまりTVを見ないので、これが優先されるとはないが、TVっ子のだんなには必要である。
このときには私たちもさすがに日本からドイツに戻っていていた。
サテライトディッシュを設置するのに、かなり苦労した。
というのは、この国には木が多すぎるのである!!
うちの庭にも樹齢何十年の木々がたくさんある。
でかすぎて、剪定もできない状態だ。
うちだけはおろか、裏に住む住民の家もだ。
うちの敷地で、サテライトディッシュが電波を受け取れる位置にあるのは、それらの木が邪魔して受け取れない!
「じゃ、木にくくりつけたら?」
「木は風で揺れたりするから。」
「じゃ、屋根の上の煙突に設置したら?」
といってみると、「それはこの国では禁止なんだ」という答えがあっさり返ってきた。
そう、この国はなんだかルール、法で定められていることが多い。
たとえば、日曜は商売してはいけないので、何にも買えない!(飲食業は別)
店はことごとく閉まっていて、青空市場さえもない。。。
フランスでも、確かに店はやってない。
でも、フランス人以外が経営するお店はやってたし、午前中は(といっても午後1時まで)、市場がいたるところにあった!
これが日曜の楽しみであったということは過言ではない。
しかも、新鮮である。
活気もある。
楽しかった。。。
また話は飛んだが、ほかに日曜日は、音を立ててはいけない、ことになっている。
自宅範囲内で洗車はしてはいけないし。
庭仕事は園芸以外はできない。
しかも、毎日、午後1時から3時までは外で子供を遊ばせてはいけないのだ!
いけない、というと大げさだが、その時間内は、子供に大きな声を出させてはいけない。
うちのすぐ近くにでかい公園がある。
その中に、子供用の遊戯がある。
はじめ見たときはほんとにすごい! さすがドイツ!
と思った。 すべてが木でできている。
その一角は、犬はもちろん入れないようになっている。
そして、入り口にある看板には、「13時から15時までの使用を禁ず」
とあるのだ。
泣ける。
話がずいぶんそれた。(いつものことだが。)
結局、サテライトディッシュは、ポールを花壇にセメント入れて、設置した。
醜いけど、それ以外に方法はなかった。
サテライトTVは映るようになった。
後ひとつ、コミュニケーションサーヴィスの彼に依頼したのは、だんなのパソコンだ。
それまでは、この私の愛機を使っていたのだ。
画面に日本語でメッセージが出るたびに、私は呼ばれる羽目になっていた。
そう、この愛機は去年、日本で購入していたのだ。
どこに旅行するときにも持ち歩いている。
そう、日本で買ったから、日本語OS。
この2つ前のパソコンは、フランスで買った。だからフランス語だった。
では、ドイツでパソコンを買うならば、ドイツ語は当たり前。
だが、彼が購入しようとしたのは、英語もOKという代物なのである。
だんなは、高校のとき4年間ドイツ語を勉強して、交換留学(って3週間のみ)までした。
しかも、アメリカ人のクセ(?)に半分はドイツ人の血が流れている。
彼は得意だ。
「俺にはドイツ語が分かる。
新しいパソコンでIT用語も使いこなせるようになる。ふふふ・・・。」
と、つぶやいているのが聞こえてくるようでもあった。
と、ドイツ語でウィンドウズのセッティングをしてもらった。
のに!
次の日には弱音を吐いて、英語にする。。。と、とっとと英語の環境にしてしまった。
が!
ワイアレスケーブルで、うちはインターネットにつないでいる。
それのセッティングが分からなくなってしまった!
と、切れまくり。
こうなると私には手が負えない。
あの、商売上手な彼に来てもらう。
実はこの彼、ドイツ人のクセに、時間に正確に来たことがない。
なので、2回も晩御飯をご馳走してやった。
一度は23時までうちで粘ったこともある。
それはおいといて、この彼のある友達が日本人を探しているという。
それが、このタイトルに出てくるレコーディングの人だ。
この人から電話をもらい、時間を決め、うちに迎えに来てもらった。
龍ちゃんももちろん連れて行く。
彼は、時間ぴったしに来た。
ちなみに、だんなは、ドイツ語を習うのに、このうちにドイツ語の先生に来てもらう。
月曜と、木曜の17時半から1時間。
先生は、早く着いたときには、自分の車の中で、17時半が来るのを待ってうちの呼び鈴を鳴らす。
だんなはいつもぎりぎりに帰ってくる。
だんながいても17時半。
いなくても17時半に呼び鈴を鳴らす。
しかし、この家のど真ん中でドイツ語のレッスンを1時間もされるのは非常に、うっとうしい。
龍ちゃんだっているのに、静かにしろ、といわれる。
ま、そんなことはどうでもいい。
そのレコーディングの彼が来た。
レコーディングの内容というのは、彼が、カジノに流れる音楽をつくり、それをバックに、各国の主要な言語で、カジノに来た挨拶を吹き込む、というもの。
日本語で丁寧な表現にすると、あまり、短くできない。
でも、彼には気に入ってもらった。
「カジノ、バートホンブルグ。 この日が皆様にとって素敵な日となりますよう、心よりお祈り申し上げます。」
自分で訳した時、「わ、くっさー」と思ったが、後には引けない。
緊張する。
声が一オクターブ高くなっているのが分かる。
私の声は低いので、ちょうどいいかもしれない。
レコーディングの最中は、龍ちゃんには彼といてもらい、3回吹き込んで、ひとつだけ選んでもらった。
はじめてのは、関西弁なまりが入ってしまったので、それを聞いて、一人で笑うしかないかった。
でも、彼はこれを一番気に入ってくれた。
が、理由を説明して、却下してもらった。
そして、そのお礼に、と、小さなシャンパンボトル、それから、おまけに龍ちゃんが遊んでいたLottoのサッカーボールまでくれた。
ボールに関しては、きっと今頃後悔してるだろう。
「後悔先に立たず」とはよく言ったものだ。
そのボールで龍ちゃんは毎日遊んでいる。
去年の日記の「居合道」に登場したNo7バスケットボールのほうがお気に入りだが。。。。(オレンジ色なので、)
その後彼から連絡があり、最後に探していた韓国語のレコーディングを終えたので、出来上がりをCD-Rに焼いてくれると言った。
その連絡は、まだない。
カジノで採用してもらえなかったのか。。。。
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