Le Journal de Nori
2003年7月6日 日曜日   釣りに行く
今日もまた収穫なしかなあ。。。 と行く前にはもう悲観モードである。
今まで、何回行ったかなあ?  そんなに趣味として行く程ではないが、天気がよい日に、とりあえずいってみようと言うことになり、いってみる。 いや、とにかく釣れたためしがないのだ。 

このトゥールーズ近辺には、小さな湖がいくつもある。  何を頼りに行くか?  地図を見て、湖が載っている所へ車を走らせる。 どこが釣れるとか、そんな情報は要らないのだ。

この国で、釣りをするにあたって、一つだけ必ずいる物がある。 釣りのライセンスだ。 ライセンスなどという言葉を使うと、資格を取ったみたいに聞こえるが、要は、許可証である。 この許可証は、一人一枚必要だ。
どこで手に入るか?   たいていの釣り用具店で手に入る。  必要なものは、証明写真一枚、と、65ユーロ。 その場で作ってくれる。 家族の中で誰か一人、そのカードを持てば、ほかの家族メンバーは、5ユーロで作ってくれる。 一年間有効。 といっても釣りができるのは、4月の解禁日から10月まで、約半年間だけだ。 高いのか、安いのかは貴方次第。 うちは高いと思わせてくれる。
去年なんか、1度しか行かなかった・・・。 
 


セキエイ

とにかく今日は天気が良い。 最高気温の予想は26度である。 すばらしい。 弁当もっていざ出発。 
例のごとく、行き先をなんとなく選んでみる。 前日、龍ちゃん(息子)の調子が今ひとつだったので、とにかく近くへ。 地図上では30分足らずで余裕で行けそうなところである。 

 

これもいつものことだが、湖のすぐそばまで来てから、そこへの入り口が分からない。 車でさまようこと30分。 この間に龍ちゃんが寝てくれてこっちは、ほっとしている。 
やっと小さな車が一台通れる細い砂利道を抜ける。 そこには湖が!! んー、あまりきれいとは言い難い。
とりあえず車を降りてみた。 

痛い!!! さわやかにショートパンツなるものをはいてた私の太ももに痛みが! 太ももに5,6本とげが刺さっている! 落ち着いてとげを抜く。 その私を刺した正体を暴きに近寄る。 な、なんと、そんな激しいとげの付いてたものは、これだった。 野生で見たことはなかったが、正体は、ブラックベリーである。 ベリー類にこんな痛いものが!?  ちなみにラズペリーにもとげはあるらしい。
これらも、最後まで、実になって、子孫を残そうとして、懸命に生きているんだなあ、と刺されたことは大目に見ることにした。

さて、この湖だが、誰もいないし、汚い。。。  でも、魚があちこちで跳ねているので、もしかしてつれるんじゃないか? と、いう気になってくる。 
でも、湖のほとりには、割れたビンのかけらがたくさんあり、龍ちゃんの事も考えて移動することにした。
その湖の水面に何か移動するものが!  よーく見ると、蛇だ。 この写真では、なぜかネス湖のネッシーなるものを思い出させてくれる。(くれない?)
近寄ってみると、足元に、もう一匹、違う蛇が。  こんなところにいてられないのだ。 食われたらどうする。 なんて、体長20cmくらいのかわいいものだ。  蛇がかわいい? いや、かわいいと思ったことはないが、かえるに比べれば、私にとっては何でもかわいいのである。

地図上では、すぐ隣町からもう一つの湖にいけるはずだ。 行ってみる。 案の定、入り口が分からない。 もう12時半を過ぎた。 お腹が空いてきた。 とにかく行くのだ!!  
どうにかしてたどり着く。 湖の向かいには、何か動くものが・・・・。 よく見るとウシである。 うわっ、牛が泳いできたらどうするのだ!?
しかも日陰があるところは先客に取られているのだ。 さらに、ブラックベリーが、多い。  龍ちゃんには刺されてほしくないのだ。
移動することにした。   変な背高な草もたくさん生えている。  だんなに聞くと、「キャット・テイル」とか。 確かに猫のしっぽに似てる。。



移動の際にもたくさんのひまわり畑が目の前に広がる。 この辺りには、トウモロコシ畑も広がる。 ここで作られるとうもろこしは、主に家畜の餌だ。 いわゆるスウィートコーンではない。 フランス人にはまだまだとうもろこしは、家畜とアメリカ人が食べるものだと思っている人もいる。  ちなみにひまわりは、主に、サンフラワーオイルだろう。  スペインでは種をピーナッツのように食べるのに、なぜフランス人は食べないのか。  フランス人とは、「違うもの」を取り入れるのにかなり時間がかかる民族だと私は思う。 伝統が一番なのだ。

そして、またすぐ隣町にある湖へ。 
ここで私は、「湖」、「湖」と連発しているが、どれも「池」のようなものである。 
これまたさまようこと20分。 お腹も限界に達しているのだ。 弁当もちなんだから、車の中で食べてもよかったが、みんなそろって座って食べたかったので、こんな私でも我慢した。

今度は、牛もいない、湖のほとりは、草花が生えている、ところにたどり着いた。 木陰もある。 文句はない、弁当食わせろ。
ゆったりとお弁当を食べていると、今度は、向こう側に、馬の一行が・・・。 でも、彼らは、乗馬を楽しむ人たちに操られてきただけだ。 泳いで来ることはないだろう。
ほとりには、トンボがたくさん飛んでいる。  糸トンボ、シオカラトンボ、そして赤とんぼ。  もう秋の気配だ。(そんな訳はない。)

  

食べるや否や、釣りに取り掛かる。 釣れるかなあ。。。
釣りとは、とにかく待つこと。
竿を置いたまま水の中を覗いてみる。  わっ、黒い物体が! と思ったら、黒い小さな魚の群れ。 小さい魚が群れを成して身を守っている姿を見て、すかさずスイミーを思い出した。 
おたまじゃくしに見えないわけでもないが、こんなにここにいられては、カエルの合唱を聞くことになり、ともかく退散しなければならない。 カエルは嫌いだ。
一つだけではない。  水辺を歩いていると、いくつも見つかる。

だんなが、水に入って、近づいて見てみた。  
「キャット・フィッシュだよ。」
また猫関係?  何でやねん。    
「なんで?」
「だって髭が付いてるやろ。」
もしかして、ナマズ?  昔食べたことがあるような・・・、いや、あれはアンコウだった。 などと考えをめぐらしながら、私は、その黒い物体を覗き続けていた。 

  

ぜんぜん竿に動きがないので、何回か引き上げては、餌がまだ付いてるか見て、また水の中へ投入していた。
と、そのとき、動きのなかった竿を引き上げただんなが、声を上げている。
魚だ!!  初めての魚だ!!  何がつれた?  どんな魚??
片手に龍ちゃんを抱き上げ、片手にカメラを持って、行ってみる。
ー ナマズ ー。
体長約20cm。 キャットフィッシュというのは ナマズだった。。。

もともと、魚を捕っても、そのまま水の中に返すつもりだったので、バケツなんか持って来てないが、こんなものは、そんなもの持ってなくても、とっとと返してやる。   
初めての獲物に、記念写真を撮るが、遠目からは、よく撮れているものだ。

私は、もしかしてここには、ナマズしかいないんじゃないだろうか、と思った。
待つこと数分、今度は、私の浮きが揺れている。  明らかにこれは波が動かしてるのではない、と確信できるものだった。
引き上げる。  竿がぴくぴくしている。  今度こそ!
ナマズだった。   サイズも同じくらいだ。   
もしかして同じのがまた。。。。ナマズには、学習能力というものはないに違いない。

とにかく、私には、ここにはナマズしかいないんじゃないかと思えて仕方がなく、もう釣りなどどうでもよくなっていた。

木陰に敷いたござの上に横たわりながら、そのまま、うとうとと寝てしまっていた。
その後は、後どれくらいいただろう。
何も釣れなかった。 
私は、今夜のご飯は何にしようかなあと、すっかり現実に帰っていた。

またゆっくりとほとりを歩いていると、足元を何か跳ねた!!   土色をしてとっさには分からなかったが、まさしくカエルだ!
とっとと引き上げる言い訳ができた。
さて、次回の釣りは、いつになることやら。。。
また車の中でしきりに今夜は何を食べようかと考えていた。

とにかく龍ちゃんが今日は自然の中でたくさん遊んだので、とても楽しい一日だった。 と自分に言い聞かせた。

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