Le Journal de Nori
2003年7月15日 火曜日   おまる

いつからおまるに座らせるのか、これは幼児を持つどの家庭にもなげかけられる質問ではなかろうか。

うちもそうだ。 いつがいい? 何事も子育てはマニュアル通りに行かないのが
基本である。 


うちのとなりのすでに18歳になる男の子は、歩き始めたのと、話し始めたのと、オムツが取れたのが同時だった、と彼の父親は主張する。  ほんとだとしたら、すごい子だ! と、私は思う。 本当は、18年前の出来事なので、自分の息子が1歳だった時の記憶があまりにも凝縮されていて、「1歳である期間」に、これだけできたのが、「同時に」できた、と思い込んでしまっているだけなのかもしれない。
なにはともあれ、隣人夫妻は、子供は1歳になったら、もうおまるを買い与えて、練習させるのがいい、と言う。



間違った乗り方1

早速買いにいった。 買ったのは、うちの龍ちゃんが、日本から帰ってきた後、5月末に買った。 1歳半のときである。
買いに行ってみると、実にいろいろな種類があるのに驚く。

一番単純なのは、プラスチックの椅子の真ん中にただくぼみがあるのだ。
日本のおまるのステレオタイプのように、アヒルの頭が付いているのはどこに行っても見当たらない。(もしかして白鳥なんだろうか・・・。) その代わりに、かわいらしい(あんまりかわいくないけど、リアルではない)、カバや、ライオンの頭が付いたのもある。
おまるから、階段状になり、家のトイレに自分で座れるようになるのもあった。

そして、腹を抱えて笑いそうになったのが、子供がちゃんとおしっこをすると音楽がなり始める、と言うもの。 
こんなもの、もう子供は、知恵が付き始めてるんだから、何でも入れて、音を鳴らそうと遊び始めるんじゃないか、それに、すぐに飽きると我が家では確信があった。


とにかくいろんな種類があるが、うちが買ったものは、引き出しつきのやつである。
おしっこをすれば、引き出しを取って、おしっこを簡単に始末できる、と言うもの。 一回ごとにおまるを丸ごと扱わなくてもよい。 そして、もっと大きくなったら、上の青い部分をはずして、家のトイレの便座にのせて使用すると言うもの。
シンプルなものよりは高いが(無論音楽つきのよりは安価だ。)、長く使えると言う点で、購入を決めた。


早速試してみる。 ぜんぜんだめだ。 何をするものなのか、分かってない。 これは、見本を見せればいいのかと、パパに、見せてやってくれと頼んだ。 すっかり成人になっているので、サイズが合わない。 ならば、うちのトイレで見せてくれ、男同士だろう、と。 怒られた。


その後3日ほど試してみたが、一向にだめ。 うちは、夫婦2人とも3日坊主だ。 案の定、それ以後は、夫婦そろって見向きもしなかった。



間違った乗り方2
オムツを取らないと
意味ないですよ。


気を紛らわせる。
ほんとに何でもいい、
アルファベットなんて見せながら歌うパパ

しばらくして、友人が遊びに来た。 彼女も12歳と、6歳の子供の母親だ。 うちの中に転がっているおまるを見て、「え? もう? 早すぎるわよ。 最近は、どこの子にも、何でも早く早くと言うのが多すぎるわ。 それぞれの子供には、それぞれの成長の仕方があるんだから、何でも早く早くって言うのは、どうかと思うよ。 そのうちサインがあるって。」と言われた。
確かにそうだ。  隣の子は隣の子。  うちの子はうちの子。 同じであるわけがない。  
同じ親から出てきても、兄弟と言うのは同じではない。 
確かに、隣の一家には、12歳の女の子もいる。  「彼女は遅かった」と言っていた。

なんでも、早い子に合わせて子供をせかすのはどうか。 うちは、「今は無理でもそのうちできるようになるんだから、ゆっくりしよう」と言うことになった。 そして、おまるはトイレ前の素敵なインテリアデコレーション。 龍ちゃんは、触りもしない。


3日前の夜、また近所の2件向かいの家に、食前酒に招待された。 そこの家庭は、先月引っ越してきたばかりだ。
そして、龍ちゃんとちょうど2歳違いの3歳半の男の子がいる。
またおまるの話だ。
彼は、1歳6ヶ月になった日に、初めておまるに乗せてみると、した、と言うのだ。 「楽でよかったわ」と言うのが母親の話だ。


ところが、おとといの朝、いつものように、オムツを替えようと、寝ているときにはいてたのを取ると、今にもおしっこを飛ばしそうな兆候が見られた。(ここでは具体的表現は控えさせていただくが、男の子を持つ方にはどんなのか分かっていただけるだろう。)
とっさに、私は、「おまる!」と、息子をおまるに座らせた。  案の定、嫌がる。  パパが本を見せる。 何でもいい。 気を紛らせるのだ。
・・・・・と、した!!!   おしっこした!  おまるでした!
もうこれは、ノーベル賞を受賞した学者のごとく、拍手とともに、褒め称えた。  龍ちゃんはテレながら、しかも得意げに笑みを浮かべる。



正しい座り方
おしっこ、したよ。

そして昨日の朝、すっかり期待を寄せながら、寝起きに座らせる。
した!!!  すばらしい、こんなにすぐ理解するものなのか、すばらしい!
この日、一度、「おしっこをしたい」と言うような表現をしたので、とっさにおまるに乗せてみたが、どうもオムツの中で済ませてたようで、本人はいきんでも、出てしまったものは、もう出てこない。
ちょっとがっかりしながらも、翌朝に期待するのであった。 「楽でよかったわ。」−この近所の人が言ったせりふが離れない。



間違った遊び方

そして今日の朝、またまた期待を膨らませながら、おまるへ。
乗せる前に、一応息子に「おしっこする?」と聞いてみると、答えは「No」だった。
でも乗せる。
座るどころか嫌がってだめだ。 出るものも出てこない。
絵本攻撃も効かない。 
ああ、だめだった。
気を取り直して、託児所から帰ってきてもう一度試してみる。
ああ、まただめだった・・・・。
近所の人が言った、「楽でよかったわ」−が頭を離れない。 こんな怠慢な母親は、失格だろうか。。。
とにかく、トイレトレーニングは時間がかかり、忍耐がいるものだと心に留めておいたほうがよさそうだ。


To be continued......


Back Nori's Diary Next

Nori's Workshop